A邸の建具修理

以前、Ｓ邸という現場で、設計者、現場代理人、大工のすばらしい連携プレイにより、建具の厚みが共通仕様書の基準よりはるかに小さな建具厚の建具の製作を現場代理人に命じられ、結果、建具は反り、お施主さんを怒らせ、すべての建具を無償で作り替え(損害100万円以上)をさせられたメンバーによる第二作の現場で、同様のトラブルが発生しました。

この現場も建具の高さが2400を超えているのにもかかわらず、建具の厚みは30しか入らない戸袋なのです。
当然、反ります。製作前にも現場代理人に通告しています。

しかし、この現場も同様に見込み30の建具製作を命じられました。
当然、設計者は設計図通りに出来ているかどうかの確認をしているはずですし、この事は現場代理人と協議した上での決定のはずです。

共通仕様書によれば、建具高さ2400の場合、建具の厚みは36〜40と記載されています。

そんなやりとりから１年近く経ち、すでに引き渡し済み。

そしてお施主さんから「戸が戸袋に当たっている」との連絡があり現場へ。

案の定、建具は反り、分厚い戸袋の桟木に当たっています。

桟木を鎌で削ったり、建具の位置を寄せたりしてなんとか直りましたが、他の建具も同様のトラブルになる事は誰でも予想できることです。

今回は、前回もトラブルを引き起こした現場代理人に対して、「意見書」を提出。

基本的に前回トラブルになったS邸と建具が同様の仕様(現場代理人の指示通り)になっているので、A邸も同様の大きなトラブルに発展する可能性があり、建具屋としては、トラブルの全ての責任を負いかねないという説明をしました。

よって、以後の修理、建具の作り替えはすべて「有償」という事を伝えました。

現場代理人は終始無言。

もうこの人から手直しの連絡が来ることは無いでしょう （笑）。
現実をもっと見て欲しいものです。


↑H2400に対して建具の見込みが30しかありません

↑戸袋の桟木もごっついのが入ってます

↑建具が反って、大きな桟木に当たった形跡があります。